3話「基礎演習」
あらすじ
リオンの頭の中で多額の借金が鳴り響く!
いったいいくらの物を壊してしまったのか?
兄から破壊した聞いたマテリアルの値段を聞いて、リオンは結構高い品物だという事を思い知るのだった。
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2
あたしの頭の中で何かが鳴り響いていた。
そう、これは誰かがあたしを楽園へと連れて行ってくれる合図なんだわ!みて、あそこに天使様が見える、皆楽しそう~。
「現実逃避のところ悪いのだけど、リオンの借金は68750G だからね?」
「はうっ!!」
グサッ!!!
あたしの悲壮な状態を無視して、兄貴が間髪入れずに言う!
――借金68750G 、日本円にすると687万5000円です。1Gは100円という計算w
あたしは落ち込んだ!かなり落ち込んだ!借金が68750Gだと!!!!
「床に手をつけると汚くなるよ?」
兄貴が指摘する、どうやら四つんばいになって落ち込んでいるみたい。
「リオン、だから一緒に借金を返そう?」
兄貴が心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「うぅぅぅ……っ、分かった……」
どう考えても、今のあたしにその金額を返す余裕はない。これからお金を稼ぐとしても生活費とか税金とか保険とかいろいろ出てくるし……。というか、この短期間でそんなに借金が膨らんでいるなんて~、なんでなの~?
「なんで、そんなにお金が増えているの……?」
あたしが素朴な疑問を言うと、
「マテリアルはもともと高価な物なんだ、リオンが壊した数々のマテリアルも結構な値段の物が多いんだよ?全部で30個くらい壊しているんじゃないかな?」
「えっ!?そ、そんなに壊してなんかいないよ!せいぜい3回くらいで……」
「リオンは知らないだろうと、教室においてあった予備のマテリアルとかも壊しているんだよ?3回壊して時点で問題あるけど……。まぁ、普通マテリアルは案外頑丈に出来ている物なのだけど、リオンの力がちょっと強いのか割れちゃうみたい……。」
「――よ、予備」
「そ、予備のマテリアル。」
あたしの頭の中は真っ暗になった!予備のマテリアルがあったとは!?いや、普通に考えれば予備はあるよね。当たり前だ。それに、予備のマテリアルがいくつあったのか……。
「値段はそれぞれ違うけどマテリアルはいろいろ種類があるから、最低でも10種類くらいは置いてあったはず……」
「――10種類……」
「後は、練習用のが爆発?」
「ふっ……」
あたしの顔はたぶん青い……そして、何かが抜けたようにぶっ倒れるのだった。
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