「結晶採取師~マテリアルピクター」
第3話「基礎演習」
扉絵「イライザとナナオ」
あらすじ
何とか全員マテリアル(自然エネルギー結晶体)が持てる様になった。
そろそろ本格的な練習が始まるマテリアルピクターの研修が始まるのだが、リオンの頭の中は講習で壊したマテリアルの修理代で頭がいっぱい。
どうすればいいのか悩むのだか解決方法が見つからない、そこで兄のアルデルがある提案をしてきたのでした。
※マテリアルピクター3話始まりました!
皆さん、適当にお付き合いください(*^-^*)
ゆっくり更新して行きます~
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あれから何日か経って、やっとマテリアルが何とか持てる様になった。
兄貴のアルデルはというと、あっさりとマテリアルも持ってしまった!あたしがあんなに苦労したのに!
「こんなの簡単だよ……」
そう言って、みんなの前で器用にマテリアルを操って見せた。
あたしなんか毎週講習が終わるたびに居残りさせられてその上、失敗してはマテリアル破損!借金の額がかなり増えた。
もちろん、借金の事なんか親に話せない。
そんなこと言ったら、やめさせられてしまう!せっかくマテリアルピクターになれるかもしれないのに!借金の事なんか絶対に話せない。そういえば借金はいくらぐらいになっているんだろう……?ちょっと怖くなってきた……。
先生は先生で貴重なマテリアルを破壊するとんでもないやつという目線で、あたしを見るようになってしまった。別に破壊するつもりはないのに~。
何とか皆マテリアルが持てるようになると今度は、次の実習に移るわけなのだけど……。次の実習というのが、「戦闘訓練実習」。戦う練習するの?そういえば、マテリアル採るのに戦う必要があるとかないとか行っていたような気がしたな……?
そんなことぶつぶつ考えていたら、
「リオンさん、聞いてますか!?」
「へっ?」
いきなり名前を呼ばれてビックリ!
講師の先生フロン・マーリックがあたしを指差した。なんだか怒っている様で……。
「今は授業中です!何をボーとしているのですか!!!」
「うぅぅ・・・、す、すみません~」
そうだ、今はマテリアル属性についての講義を受けているところだった。
「リオンさん、次のページを読んでください」
「えっえっ!!?」
あたしはあせった!だって、ただの注意かと思ったんだもん、あたしがあせっていると後ろの席から兄貴のアルゼルが「68ページだよ」と小声で教えてくれた。同じクラスで、席も近くて助かった~。
授業が終わて、教室の窓際にたたずんでいると兄貴が話しかけてきた。
「何を授業中に考えていたの?」
「え?」
突然聞かれて、あたしはちょっとビックリした。
「この後の戦闘練習の実習について、ちょっと考えていただけ」
「本当にそれだけ?」
「――そ、それだけよ!」
兄貴が疑いのまなざしであたしを見る、もちろんあたしはそっぽを向いてちょっと強気で言ってみたけど。
「本当は借金のことで頭がいっぱい何じゃないの?」
「――!」
ちょっとビックリして、兄貴の顔を見た。
兄貴はため息をついて、
「借金のことは、父さんと母さんには内緒にしてるんだよね?」
「そ、そりゃそうよ!そんなこと言ったらやめさせれらちゃうもん!せっかくマテリアルピクターになれるかもしれないのに!」
「……じゃ、こうしよう。借金は俺も一緒に返すから今はちゃんと授業を受けよ?いいね?」
あたしはしばらくボーゼンとした。え?今なんていった?一緒に借金返す?
「ちょっとまって!なんで兄貴が一緒になって借金返す必要があるのよ!これはあたしが作った借金なのに、あたしが返すのが普通でしょう!?」
そうよ、何で兄貴があたしの借金を一緒に返さないといけないの?あたしが反論すると、
「じゃ、聞くけど借金がいくらあるか知っているの?」
「……」
しばらくの間沈黙……。
借金、いくら……?
あたしの額に冷や汗が……!
「い、いくらか知らない……、最初の「あれ」が5000G手言うのは知っているけど……」
更なる沈黙が!
「君が作った借金は、68750G(日本円で6,875,000円)だよ。」
と、兄貴はそういったのだった!
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