1話「魔界の少女」
あらすじ
マテリアルセンターの会場で、学校でいつも一緒のいた幼馴染のエリート魔女イライザとその従者ナナオがいた。2人とも良い家のお嬢さんとそこに仕えている家系の者なのに、マテリアルピクターになる必要などない2人が何でこんなところにいるのか不思議に思うリオンだった。
7
兄貴を追って、ここに就職かい……凄い行動力だよ。受かるの大変なのに……。
そう思いながら、席に着くと会場の教壇から初老の男性が現れた。
彼はマイクの前に立ち、語りだした。
「皆さん初めまして、私ここ「第7王立マテリアルセンター」支部長オルデリック・ハンスンといいます。
これから皆さんは、結晶採取師「マテリアルピクター」になるための研修を受けてもらいます。我々マテリアルセンターは優秀な採取師を欲しています。採取師は今や全世界にとって必要な存在です。
古の時代エネルギー管理を行っていた精霊界とそこにすんでいた精霊達が姿を消し世界を形成し循環していた自然エネルギーは方向性を失い異常を起こしそのほとんどが物質界へと流れていってしまいました。何故なかれていってしまったのかというと、もともと物質界は我々の住む世界違い、自然エネルギーが少ない場所でした。
皆さん、コップを思い浮かべてください。あるとき蛇口の水が壊れてしまいました。水を入れるには入れ物が必要です。ですがたくさんのコップには水がいっぱいたまっています、ですが1個だけ空っぽのコップがありました。しかも大量に入れられるみたいです。そこでそのコップにあふれる水を入れました。しかしそのコップにも限界があったのです、溢れ出したコップの水は周りにあふれていきました。蛇口が壊れているので水は止まりません。それはやがて洪水となってほかのコップを埋めていったのです。ですが今もその以前空だったコップに水が注がれているのです。コップとはいわば世界を意味してます、そして水はエネルギーのことです。
皆さんもうお分かりですね?あなた達には蛇口を閉める役割を持ってもらいたいのです。結晶採取師つまりマテリアルピクターとは世界の循環を精霊に変わって行う存在です。
なので多少の危険があるかもしれません、そこで研修を行ってマテリアルピクターにふさわしいかどうか判断させてもらいます。もちろん、それなりの待遇はさせてもらいます。内容はすでにお手元の説明資料に書いてありますので、よく読んでください。
もしなれなかったとしても、あなた達はすでに国立職員試験合格しているので施設職員や研究者、ガード(国立警備兵)など別の職に就くことができるようになっていますので安心してください。もちろん、国立職員の証明書があれば再挑戦も可能です。皆さんが手に持っている証明書がそれです。
研修や研修試験は難しいですが、講師の話を聞き勉強してください。ではみなさん、健闘を祈ります。」
支部長さんはそういい終わると教壇から去っていった。
国立職員免許???
あたしはもう一度カードをのぞいてい見た。
ホントだ!書いてある。
すると母が、
「よかった~、マテリアルピクターになれなくてももう立派な国立職員になっているのね!
確かに世界にかかわるすごい職業だけど、たとえなれなくても普通に就職できるのね!安心したわ~」
母が頬に手を当てて嬉しそうに言った。
絶対なれないと思っているみたい……。
「…………」
ぜったいに、マテリアルピクターになってやるんだから!!!
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