マテリアルピクター8話「水中回廊」8
あらすじ
講師のフロンに今までの経緯を話していると、訓練所の方では大変なことになっていることを知ったリオン達。
それは、リオン達が捜索している間に妙な条例が決定。
マテリアルピクターを育てる訓練所にとってはあまり嬉しくない条例だった。
※今月もよろしくお願いします。適度にゆるく更新します(^_^;)
8
訓練施設でもし事故が起きても一週間救出禁止?
マテリアルピクターか研修生以外立ち入り禁止?
な、なんて事だ!
そんな危険な条例が通るなんて!
『自分達が、上に立ちからそんな条例を通したって言うの?』
あたしはもう、何がなんだかよく分からない。魔族は力を求める性質を持つ種族だが、そこまでやる必要があるのかと思ってしまう。
『まぁ、魔族はなんだかんだ言って《悪魔》だからな~』
などと、ニヤつきながらクオンは言う。
すっごい事言ったあんたの方が悪魔だと思いますが………?
「まったく、クオン君は凄いね。ぜひ、私の助手にしたいものだ」
おいおい、あんたも何言っているの!
『先生!そう言う話じゃないでしょ!!』
と、突っ込みを入れるあたし。
「そうだったね!いや~、ごめんごめん」
まったく持って緊張感がない!
『先生、これから俺達どうすればいいと思いますか?』
と、兄のアルデルが尋ねた。
「う~ん、そうだね……。まずはモンスターを見つけてみてはどうだろう?」
『モンスター?何故です?』
「モンスターは何のために存在していると思う?特にこの水の結界の中では………」
この水の結界の中でのモンスターの役割……。
『邪魔者を排除、もしくはガードするために配置している?』
と、あたしは自分の考えを言ってみた。
「そう、大抵作り出したモンスターの役割は邪魔者の排除と門番の様な役割をしていると思うんだ。つまり、モンスターの居るところに2人は居る可能性が高い」
と、先生が言ったのだがユーディリーが不に落ちないと言う顔で、
『それじゃ、あたし達が探っている生命反応は何なのですか?』と、疑問をぶつけてみた。
すると先生が、
「もしかしたら、それはダミーかもしれないね」というのだった。
『ダミー!?』
全員がビックリする。そりゃそうだ。今までその生命反応を追って移動していたんだから。
それがすべて偽物なんて!?
『ダ、ダミーってどういう事ですか!?』
とユーディリーが聞き返す。
「水の精霊は命を生み出すことも出来ると聞いたことがある。もしそれが本当なら、この水の結界の中には生命反応を出すダミーがたくさんあると思う。なぜなら、結果以内に入った事でマテリアルは侵入者が来た事を知ったからだ」
先生はそう話した。確かに結界に入ったのだからマテリアルがあたし達の存在に気づいてもおかしくない。しかもかなり強引に中に入ったもんね。
『そ、そうか。そういえばそうだ………』
ユーディリーも納得したようだ。
するとフィルロスが
『ほら見ろ!やっぱりモンスターが居た方が良かったんじゃないか!!』
などと、自信満々に言うのだった。あんたはただ戦いたいだけでしょう?
先生との通信を終えて、改めて行動を開始するあたし達。
今度はモンスターの気配を探りながら移動する事になった。モンスターの居るところにマテリアルがあるはずだというフロン先生のアドバイスを受けて皆で実行している。
モンスターの気配を探っているあわしに向かってクオンが話しかけてきた。
『ところでさ、お前………』
『何?』
『モンスターの気配分かるの?アルデルならともかく、センスオーラ使えないお前がモンスターを見つける事ができるのかな~と思って』
『!!!』
そう、モンスターの気配を探るには【センスオーラ】つまり波動を見たり感じ取ったりしないといけないのだ。
残念な事にあたしにはそのスキルがない!
『リオン、そのうち出来るようになるから。今は皆でやっているから安心しておとなしくしていればいいよ』
と、兄のアルデルに言われるのだった!
完全にあたしは足手まとい扱いだ………。
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