マテリアルピクター7話「妖精と精霊」16
あらすじ
まさか森の中にモンスターがうようよいるとは、進んで行くたびにモンスターと戦うはめになり疲労困ぱいのリオン達。
日もとっぷり暮れて、今日もキャンプを貼るのだった。
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今日はここでキャンプを張ることになった。
あんなモンスターがこの森にうようよいるとは思わなかったので、魔除けの結界を兄貴が施す事になった。
まぁ、正直歩きながらの移動とモンスターの遭遇とその戦闘でみんな疲れてしまっているのだ。
日もとっぷり暮れて、ダークエルフのユーディリーが作ってくれた『草の家』で一晩を明かす事になったのだ。
「なんか今回は凄い大変そうな気がするんですけど……」
あたしは草のベッドに伏せてう~んと唸っていた。
「みゃ!みゃ!」
あたしの隣で久しぶりに髪留めから開放されたクロとネロが草ベッドで遊んでいる。今までず~と放置しっぱなしだった!今は開放されて遊びまくってる。もちろん、ご飯もきちんとあげた。
「リオンの髪留めって、猫ちゃんだったんだね!ペットなの?」
クロとネロを見ながら目を輝かせるクラウンがいる。
何と言うか、あんたも猫だと思うんだけど……?
「う、うん……」
あたしはあいまいな返事をする。
「これからどうするか、皆で話し合いましょう」
ユーディリーが提案する。
「そうだね。モンスターがいないルートを探して進んだほうが安全だもんね」
クラウンもそう言う。遭遇したブヨブヨモンスターは形はさまざまだけど全体的に言うなら、耐久力が全然ないのですぐに倒す事ができる。だけど数がちょっと多い、少なくて5匹くらいなのだけど多いときは20匹も出てきたのだ!どっかのゲームのモンスターみたいにワラワラと……。
確かに連続戦闘はちょっと困る。
そんなわけで『草の家』の広間に集まって、皆でこれからの行動を相談する事になった。
「と言うわけで、モンスター除けの魔法を掛けて移動する事にします。それと草木に頼んでみてなるべく魔物がいないルートを教えてもらって、移動魔法も速度の早い物に使用かと思っています」
ユーディリーが皆に説明する。
「まぁどう行動するかは分かったけど、その……、あれってモンスターなのか?モンスター除けの魔法が聴くのか分からないと思うぞ?」とクオンが少し困った顔で聞いてきた。
うむ、確かにあれはモンスターなのかどうかちょっと問題がある。
「確かにあれがモンスターなのかどうかはまだ分からない。何せ幻みたいな物だからね。だけど何もしないよりは良いんじゃないかな?それに移動中は防御魔法も掛けて置いた方がいいかもしれないね」
と兄のアルデルもユーディリーの意見に同意する。
「それしか方法がないか・・・」クオンもあきらめた様だ。
「俺は魔法とかモンスターの生態とかわからないからパスね」とフィフロス。
おいおい、あんた最初から相談に参加する気ないのね……。
「もう、意見を言う気がないのなら何でここにいるよ?」
あたしがそう言うと
「ん?だってここにいたほうが安全だろう?それに1人でいてもつまらないし~」
「あのね……」
などとフィフロスが言う。あたしがため息混じりに言うと兄のアルデルが、
「とりあえず、皆今日は早めに休もう。明日は早く出発するから、夜明けとともに移動するよ」
「え!?ちょっとそれって結構きついんですけど!?」
「だから早く寝るんだよ。いつも寝坊しないようにって言っているでしょう?さ、早く寝る!」
「う~」
あたしは文句を言いつつ兄貴に背中を押されて、しぶしぶ自分の寝室へといったのだった。
まぁモンスターの正体も分からないししょうがないけど、でも早起きは苦手なんだよね……。
皆それぞれ自分の寝室へと戻っていった。
明日は早くから移動だ。たっぷり睡眠をとって疲れをとらないといけないよね。
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