「結晶採取師~マテリアルピクター」
第1部「見習い採取師」
この話は、世界溢れる自然エネルギー『マテリアル』を採取し、エネルギーの循環を行なう職業:結晶採取師『マテリアルピクター』になるために頑張る魔族の少女リオンと双子の兄アルデルの修行の話です。
第1話「魔界の少女」
あらすじ
ここはわれわれとは違う、魔界と呼ばれる場所。
魔界のある学校で、卒業式が行なわれていた。
1
薄紅色の空のした赤い大地が見える。
町が見える。
それなりに発展しているように見えるし、時が止まったような印象も与える町である。
全体にいえば、中世の町並みといった感じである。
青い花を咲かせている紫ががった奇妙な植物(花壇だろうか?)ときれいに舗装された道、その左右に太く黒い幹の木々がきれいに立ち並んでいる。
黒い木には薄いピンク色の花が咲いている。
町の中も中世を思わせるような感じに見える。
ところどころ道筋に沿って不思議な丸い物体が3,4メートルほどの位置に浮かんでいるのだが・・・それらは、人が通ると自然と点灯する外灯のようだと分かる。
だか、今は点灯する気配は無い。
どうやら、昼間の時間ようである。
我々の視点から見ると、この薄紅色の空を見たら夕方の時間だと思ってしまうかもしれない。ここでは昼間なのだ。
その道を行くと、その奥には立派な西洋風の建物が見える。
ある「魔界」の学校の卒業式。
「魔界」、ここは「魔界」なのだ。
我々が住んでいるところとは違う場所である。
なぜ「魔界」かというと、われわれの知っている「人間」という生き物もしくは同類?がいないからである。
「魔界」とも思しき場所には、角を生やしたもの、羽が生えた者、怪しい髪の色をした者、はては動物か爬虫類を思わせるものなどおよそ「人間」とはいわない人々は、俗にわれわれが言うところの「魔物」とか「悪魔」とかいう表現があっていそうな感じする。その人々がここでは数多く住んでいる場所なのだ。
で、この魔界の学校の建物はというと、こちらの世界で言えば西洋風の中世の建物を思わせる赤レンガ造り建造物が達並んでいる。高さ4メートルはあるだろうか立派な黒く大きな頑丈な門の奥には、校舎と思われる建物が見える。その横には礼拝堂を思わせるのような建物があるが、ここではさまざまなイベントや行事などで使われるイベントホールといったところか?
この世界に住むいろいろな種族であろうか?みなこの学校に通う生徒達だ。
それ以外にも大勢の人だかりが見える・・・大人だろうか?保護者風といったの者もいるようだ。
どうやら、今は卒業式のようである。
礼拝堂のようなイベントホールでは、この学校を卒業する生徒であふれている。
泣く者、笑う者、恩師に挨拶する者、親と一緒に喜ぶ者・・・
我々の世界でもよく見る光景だ、どこの世界でも変わらないらしい。
本日の魔界の空は天気がとても良いようだ、少し我々の見ている空とはだいぶ違うのだけど……。
少し曇ってはいるが薄紅色の空の下で、薄い青緑の長い髪をツインテールした一人の少女がたたずんでいた。姿かたちは人間と対して変わらないようだ。
黒のベストに白のフリフリのスカート、黒のロングブーツを履いたとてもかわいらしい少女である。身長は160はないかもしれない、髪を束ねている留め金はコウモリのような形をしている。金色の瞳は少しネコを思わせる。
見た目は15,6だろうか、その少女はある紙を見て震えていた。
プロローク-4へ
1話-2へ
目次へPR
この記事へのコメント