3話「基礎演習」
あらすじ
現在基礎訓練中・・・
最初のマラソンで、ビリになってしまったリオン達、講師の先生に「もう一回走って来い」といわれまた走るしかなく・・・。
長距離マラソンの2週目は、かなりというか物凄くきつかった!
9
さすがに2周目はきつい!
はぁ~、何で自分は走っているのだろう?決して、走るのが嫌いというわけではないよ?でもね、こうも同じ風景が続くと飽きるんだよね。
「リオン、走るの飽きてきてるだろう……?」
兄貴がヘロヘロになりながらも怒った顔であたしに言う!
「う、うるさ~い!!おんなじ風景なんだもん、飽きるに決まっているじゃん!!!」
そう言ってあたしはとうとう地面に座り込んでしまった。
あれから1時間走りっぱなし。前のとあわせると4時間!もう、走りたくない!
「これは訓練なんだよ?ちゃんと走ろう!」
「やだ!おなかすいた!疲れた!もう、走りたくない~!!!」
あたしは駄々をこね、地面に寝そべった。
「リオン……」
兄が困った顔をする。
「だって、戦闘練習すると思っていたのに走ってばっかりなんだもん~」
「そんな簡単に戦闘訓練なんて出来るわけないだろう?普通の騎士とか兵士とかとは違うんだから……」
兄のアルデルはそう言うけど、こうも4時間以上走らされると参っちゃうのよね。
「それじゃさ~、こうしようよ!15分走ったら10分休むって言うのはどう!?」
「あ、あのね……。それじゃいくら経ってもランニング終わらないよ?しかも休みが10分って……」
兄貴があきれている・・・、だってもう走りたくないんだもん。
「ほら、休んでないで走ろうよ……。ここでもたもたしてたら日が暮れるよ」
「ぶぅ~~っ、分かったわよ、走るわよ……」
仕方なく重い腰を上げて、あたしは走り出した。
う~ん、やっぱり体が重い~!
あたしが走るその後ろを兄のアルデルが走っている、本当は自分が一番つらいのに……。
「ねぇ……、空飛んじゃだめなのかな……?」
「…………、空飛んだら訓練にならないだろう?これはランニングなんだし……」
「もう、体あちこち痛いんだけど~!」
「リ、リオンはホント元気だね……」
走りながらしゃべるあたしを見て、兄貴は本当に疲れた顔をしてあたしを見た。
走りながらあたしは腕につけてるブレスレットを何気に見た。
「ねぇ、このブレスレットちょっと外してみない?少しは体が楽になるかも……?」
「リオン!」
「うぅ!そ、そんなのウソに決まっているでしょう!外さないわよ!」
ふ~、やっぱりダメか……
卑怯は許さん!って、兄貴が物凄い顔で怒っている……!
走り続けて1時間、何とか中間地点に着いたみたい。大きな大木が見える。
この訓練施設内部は外とほぼ同じ自然環境で作られている。これを作るのにどのくらいのマテリアルの力が使われているのか・・・?想像してみようと思ったが、走りこみすぎて思考が追いつかない。はっきり言ってヘロヘロ。ゆっくり周りの風景なんて見ていられない。
「もうダメ・・・疲れた~」
どうにもあたしはギブアップのような気がしてきた。
額からは大量の汗が!
そして何気に後ろを振り向くと、兄貴が倒れていた!!!
「……ちょ、っちょっと……!!?え……え~っ!?ここで倒れるの!!?」
ポカ~ン・・・
こ、こんなところで倒れるとは!
兄貴のところに近寄って起こしてみる。
物凄い汗!そして顔が真っ青だ!
「あ、兄貴!?」
「……、う~ん……」
かなり具合が悪そう……こ、こんなところに人はいないし、どうしよう~!
しばらく考えてから思った。ひょ、ひょっとしてあたしが運ぶのか!?兄貴を!?
あたしは道端でボーゼンとしていたのだった。
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