3話「基礎演習」
あらすじ
なんと怪しいブレスレットは人間と同じ条件になるための魔道具だった!
しかも基礎訓練はマラソン!
しかも超長い距離を走らされる。そしてなんとリオン達は一番ビリになってしまった。
2人ともブレスレットのせいで体力限界・・・だが講師のジャンカンはこういうのだった「もう一回走って来い!」
8
「あはははっ、やはりお前が一番最後か!アルデル!このブレスレットはな、魔力の高い者ほど重く感じるようになっているんだ。」
先生は高笑い。
「うううぅ……」
当の兄貴は地面にぶっ倒れている。
兄の魔力の高さがあだとなり、結局あたし達の組がビリになってしまった……。あたしも実はそんなに走れていない。
「まぁ、お前らは特別だから仕方ないけどな。だけどこれは訓練だ!もう1周走って来い!!」
「え~~~っ!!!?」
走るって言ってもね!この訓練施設まるまる1周するのにどれだけ時間かかっていると思うのよ!3時間もかかったのよ!!それをもう一回走れとは!?空を飛ぶのとはわけが違うのよ~!?
「リオン、仕方ないよ。もう一回走ろう?慣れればもっと早く走れるようになるかもしれないし・・・」
「今にも死にそうな顔をしたあんたが言うな!」
ほんと、兄のアルデルは真っ青な顔をしているよ!
「確かに!こういうのは慣れだ!」先生がとんでもないこという!
「コラー!!」
「リオン、お前は元気だな?まだ走れるだろう?ほら、行って来い!」
先生に背中を押され仕方なくまた走り出すあたし、とほほ……。
「リオンさんも大変ね~、まぁアルデル様は仕方ないけど」
「何を言っているのですか?お嬢様!うちらもヘタするともう1周させられるところだったんですよ!?」
ナナオが怒った顔で注意すると、
「あぁ、あら!?そうだったかしら・・・?」
イライザは、「ほほほっ」と口に手を当てながら笑い少し顔を背けた。
内心少し冷や汗をかいたのだけどそれは内緒。
リオンたちがもう一度ランニングを始めているころ、訓練の様子を見ていたリオンたちの担当の講師フロン・マーリックがやってきた。
「やはりあの子達が一番強いということなのでしょうかね?」
フロンはおもむろに戦闘訓練講師のジャンカン・アゾルに聞いてみた。
「そうですね、やはり希少種の出身だけに力も強いです。あのブレスレットは力の強い者ほと効果を発揮するように出来ていますからね。
それにあの2人はセンターのほうでも優先的に指導するように支持を受けています。でもまさか、こんなところに来るとは思っても見なかったようで上の方もだいぶ騒いでましたよ。」
それを聞いてフロンが考え込むようにこう言った。
「確かに、マテリアルピクターとしては適正にぴったりの種族ですが何分数も少ない上に魔界から出すとなるといろいろと手続きなども大変になるのでは何のでしょうかね?
それにあの2人、ちゃんとあの方に許可を取っているのでしょうか?そっちのほうも心配ですね。兄の方は少々おとなしすぎですね、妹のほうはなんと言うかそそっかしいというか乱暴というか……この前の貴重なマテリアルを壊されてしまいました。そうすればいいのでしょうかね?」
それを聞いたシャンカンは、
「マテリアルなんてまた採ってくればいいだろう?それより、講師の方は慣れたか?」
「採ってくるって!とるのにどれだけ苦労するか分かっているでしょう!?」
「アハハハッ、確かに採ってくるのは大変だ!」
「まぁ、講師の方は何とかやってます。」
「そうか、頑張れよ!」
そういって2人の講師はリオンたちがランニングから帰ってくるのを待った。
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