今回も【小説書いているんです。】企画に参加!
というか、まともやぎりぎり^^;
消え取り直して・・・
【今月のお題小説】【時】
お題内容は
こちら
前回よりはちょっと長めの文章?かな~
自分流の
時を考えて書いて見ました。
また次参加する場合もぎりぎりになるのかもしれない(^∀^)
企画小説「時」
ここは小さな港町。
そこは海に浮かぶ古びた灯台と、町の中心にある小さな古い時計台がある古びた港町。
そこには昔ながらの漁法で漁をする漁師たちが住んでいる。
今日もどこかで威勢のいい声で、漁をしている人たちがいる。
小さな子供が港町を駆け回る。
初老の男がその後を着いてくる。
この港町が「好きだ」と子供は思った。
海から来る塩のにおいがまとわりつく。もうすぐお昼になるだろうか。
おなかがすいたのだろう、港町には多くの海鳥達が漁でこぼれた魚を狙って飛び回っている。
そうと思えば小さな猫達が、漁師から捕れたばかりの新鮮な魚をおっそわけしてもらおうと港まで出向いている。
一匹の小さな猫がニャーと鳴いた。
それと同時に小さな時計台が静に午後の鐘を鳴らす。
いつもと変わりない日常がそこにある。
沖のほうから一艘また一艘、船がやってくる。次第に船は増えていき20艘前後になった。
今朝方漁を終えて帰ってきた漁師たちだ。
今日もたくさんの魚を抱えて帰ってきた。港では、漁師の夫を待つ妻達が出迎えている。港に船が着くと皆一斉に今日取れた魚を陸に揚げていく。
今日も大量だと笑う漁師。にぎやかな笑い声が聞こえてくる。
女達は漁で疲れた男達をねぎらい昼食を作っては振舞っている。お年寄り達は漁で使った網を修理している。
いつもの光景、いつもの風景。
これからも変わらないこの光景を刻み続けていく。
小さな古い時計台。
海は今日も小さな漣を響かせている。
海鳥達はそれにあわせて合唱する。
猫達はおなかがいっぱいになったのか、うとうとと寝息を立て始める。
小さな時計台に1人の男がやってきた。
初老の男がやってきた。その後ろには小さな子供がついてきた。
港町を歩いていた男と子供だ。
手には小さなランプが震えながら揺れている。まだお昼だ、ランプを使うにはまだ早い。もう片方の震える手で時計台の扉を開けようとしている。
すると小さな子供が手を取った。
「ありがとな」男はぼっそりと子供に向かって礼を言う。少し笑ったような気がした。
「ねぇ、何でいつもこの古い時計台に来るの?」子供が男に尋ねる。
「う~ん、ここを登ってみれば分かるかもしれないな。お前は初めてここにくるんだっけか?」男は子供に向かってそういった。
「そうだよ、おじいちゃん以外は誰も入ってはいけないって言われているからね。ここには何があるの?」どうやら男と子供は祖父と孫のようである。
「ここにはとてもすばらしい物があるんだよ、お前もきっと気に入ると思うよ」男はそう言うと扉を開けて時計台を上り始めた。
時計台の中はとても暗い。手に持ったランプに火がともる。狭い曲がりくねった螺旋階段をよじ登る。
するとゆっくりとだが歯車がなる音が聞こえてくる。それは静に時を刻んでいた。
男はゆっくり腰を下ろして歯車たちを見つめては油を差している。時計台の中で子供の祖父は時計の針を合わせてる。
今日も異常はなさそうだ。
男はふと孫を見てみた。孫に向けるそのまなざしはとても嬉しそうだった。
子供は感激したのか屋上から差し込むまぶしい光を見て驚いた。
そこには大きな絵があった。
港町が描かれた大きな絵。海鳥達が小さく見える。港には多くの漁師がいる。そこには父や母がいるに違いない。港の先では灯台が見える。まだ明かりは灯っていない。
この時計台の窓は大きな絵画だった。
小さな古い時計台。
そこは小さな展望台。
その時計台は時だけではなく、すべてを刻む場所だった。
「こんな場所があるなんて知らなかったよ」子供は嬉しそうに周りを見渡す。
「ここはとっておきの場所さ、皆には秘密だぞ?」男は孫にたいしてそういった。
子供はこの時計台が好きになった。
「今度からは毎日ここに来てもいい?」子供は祖父に尋ねた。
「はははっ、ここが気に入ったのか?」子供に尋ね返す。
「うん、今日からここに毎日来るよ!」子供は嬉しそうにまた窓を眺める。
時計にも興味を持ってもらいたいと男は思ったが、孫の嬉しそうな顔を見て今はそんなことはどうでもいいと思った。
時計台の窓から来る海の潮風が心地いい。
太陽の日差しが暖かい。
時計台は今日も時を刻んでいく。
完
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この記事へのコメント
拝読しました
そこにある風景と、それを刻む時がロマンチックだなぁと、読ませていただきました。視点が俯瞰というのも、浜の香りが吹き込んできそうなスケールの大きさに、気持ち良さもひとしおです。優しい物語、素敵でした!
執筆、お疲れ様ですw
Re:拝読しました
読んでくれたんですか!?
ありがとうございます(*^-^*)
これから夏本番という事で、海を題材にして書いてみました。
そんなにスケールは大きいとは思わないんですが、いい感じに出来ればいいかな?と思って書きました。
>コミュから来ました。
>そこにある風景と、それを刻む時がロマンチックだなぁと、読ませていただきました。視点が俯瞰というのも、浜の香りが吹き込んできそうなスケールの大きさに、気持ち良さもひとしおです。優しい物語、素敵でした!
>執筆、お疲れ様ですw