2話「武器屋と講師」
あらすじ
なんと借金を背負ってしまったリオン。
落ち込みながらも教室を出ると、外で待っていたのかイライザが話しかけてきた。どうやら兄のアルデルに用がありそうなのだが・・・?
13
本日の研修が終わり帰ろうと、教室の廊下を出ようとすると甲高い声が……!
「あら、リオンさんじゃなくて?」
う~ん、会いたくない人物と遭遇……。
「こらお前!イライザ様にちゃんと挨拶しろ!」
あたしはじと目でナナオを見た。
「な、なんだ!そんな目で見るな!」
なぜかナナオはたじろぐ。何おびえているんだこいつ……?
そんなあたし達事など気にせず、イライザが辺りをきょろきょろと見回す。
「アルゼル様はどこ?」
「へ?兄貴?」
「そうよ!ほかに誰がいるって言うの!」
いろいろ疲れたあたしは無気力に答えた。頭の中は借金のことでいっぱいだった。
そういえば兄貴がいないな~。
「そこらへんにいるんじゃないの?」
「な、なんですの?あなたは……、自分のお兄様が心配でないの!?」
「心配?心配ね……」
う~ん、確かに別の心配はある。
「あの方は繊細なのよ!変なのに絡まれていたらどうするの!!」
う~ん、確かに毎回変なのに絡まれているよね……。
理由は大体分かるけど、まさかここではそんなことないだろう……と、思う。
「心配なら探しに行けばいいじゃない」
あたしがぶっきらぼうにそう言う話していると、
廊下の置くから、クラスメートの背の高い男が、
「おーい、お前の片割れ。男共に囲まれているぞ~」といった。
「え!?まさか……!」あたしはびっくりした。ここでもそうなのか!?まったく……!
「た、大変よ!早く助けに行かないと・・・!!!場所はどこなの!?」
イライザが顔を真っ青にして言った。
「ははは、まさか……?」とあたしは頬を引きつりつつ「な、何で男共に囲まれているのかな……?」と聞いてみた。
するとクラスと男共が、
「え?だってな~、やっぱり美人だからじゃねえの?おとなしいし、頭よさそうだし、その上きれいだよな~。もちろん、リオンお前もかわいいけどちょっと怖いだよな……」
「――何だって!?」
男共をにらみつつ、ふっ、やっぱり……また間違えられている、まったく世話焼かせるんじゃないわよ。これじゃどっちが兄だか妹だか分からない。
話を聞くとどうやら、施設の入り口で囲まれているらしい。そういえば、帰りのさい入り口で待ってるって言っていたような気が……。
「早く行きましょう!」
イライザがあせった。う~ん、イライザ本当に兄貴のことが好きなのかもしれない?まぁ今はよく分からないけど、とりあえず施設入り口へと向かったのだった。
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