2話「武器屋と講師」
あらすじ
マテリアルピクターとてしの本格的な研修が始まった。
自然結晶体「マテリアル」の特性やその属性など、教わることはいろいろあるけど・・・
リオン達が最初に行うのは、どうやってマテリアルを採るかということだった。
なんだかちょっと難しそうな気がするリオンでした。
9
あたし達の心配をそよに、自己紹介が終わった後ごく普通に講義が始まった。
教室の水晶型モニターを巧みに操作して分かりやすく説明していく。
まぁ、さすがに講義がうまいというか研究者なので説明がとても分かりやすい・・・たまによく分からない解説が入るけど・・・
「以上がマテリアルの性質です、皆さん分かりましたか?」
「あの、先生!」
一人の研修生が手を上げた。
「はい?なんですか?エレクさん」
「あのですね、ここに来る前に武器を買えとか道具を買えとかいろいろ指示を受けたのですけど、これって何に使うんですか?」
「おや?あなたは教えてもらっていないのですか?センター指定の武器屋で買ったのではないのですか?」
「え、いや、あの……」
と、エレクといった子が口ごもる。
そっか、指定のお店で説明を受けることもすでに研修に一つに入っているか・・・。ほかの皆もそうで、武器などは採取するときに必要な道具であり、身を守ることに使うものであることを知っている。
「仕方ないですね……、隣のそこの君、エレクさんに教えてあげてください」
「は、はい……、えっとね……武器が必要なのは……」
先生は説明しないのね……。
そしてゴソゴソと他の教材を取り出す。
先生はすでに次の講義の準備を始めているのでした~。
「これより、マテリアルの採り方を教えます。」
そう言うと先生は、半透明の結構大きめの箱を持ってきた。
その箱には、小さな結晶体が箱の底に置いてある。
これがマテリアル?始めて見た!
なんだか宝石みたい~、マテリアルはエネルギーの結晶体。エネルギーの光なのかほのかに光っている。
「この中にマテリアルを入れてます。中は外と違って魔力がないのでそのまま手で採るのは危険です。さっき話したことを思い出して、この箱にあるマテリアルを採ってください」
「え……と、どうやって採るんですか?」
一人の研修生が疑問を投げかけた。
そうよ、手で採れないならどうやって採るのよ。皆も困惑気味。
すると、先生がそんなことも分からないのか?というような顔で、
「手で取れなければ、『力』で採るに決まっているんでしょう?」
と、言った。
『力』で採る……?ひょっとして魔力で採るって事?
「あ、あの……魔力で採るんですか?マテリアルって……」
あたしがいうと、
「そうですよ?武器で取ったりしたら壊れるかもしれないでしょう?でもエネルギーの塊であるマテリアルを素手で取るのも危険です。ほかに方法があるとすれば、魔力で採るという事になるのです」
先生がそう言うと、
「いいですか?良く見ていなさい、やるのは一度っきりです」
そういうと先生は、手のひらをかざしマテリアルが入っている半透明の箱に向かって魔力の波動を出した!
すると、どうだろう!箱の中にあるマテリアルが空中に浮いたじゃないの!凄い!魔力がない箱の中で力を使えるなんて・・・どうやったらそんなことが出来るのだろう?皆も驚いている。
先生が魔力を放ったとき一瞬だけど、何かたぶん魔力かな?それでマテリアルが包まれているように見えた。もしかしてそれがヒントだろうか?
先生は、持ち上げたマテリアルをまたはこの中に戻してしまった。
う~ん、これが出来ないとはやしはなし何も出来ないってことか……。
ちょっと説明するけど魔力がない空間ではあたし達の力は外へは働かないのだ。普通魔界の住人は魔力を放出したり魔法という形で具現化現象を起こしたり出来るのだけど。まぁ、魔力のない人たちにとっては何も出来なのは当たり前だろうけど、あたし達にとっては違う。以前も話したが魔力とは生命力のような物言ってみれば、自分の存在後からの強さを意味しているのだ。
力の強い物ほど周りに与える影響力も違うし、さまざまな力を行使できる。でもそれらは、世界にも魔力が存在していればの話。魔力はそれ以外にもエネルギーとしての顔もある。魔力がない世界とはつまり、生命力がとても低いもしくはエネルギーが乏しい世界ということでもある。ぶっちゃけて言うならあたし達魔界の者から見れば人間界は、死んでいるような世界という風に見える。天界人が使う霊力も原理は同じ。霊力は主に精神エネルギーとも言われている。
そうそう、何故天界の人々が人間界で活動できるかというと彼らは、人間の精神エネルギーを利用しているからだと後で知った。人間の精神エネルギー主に喜びや優しさなど正のエネルギーを使用しているとか……。
まぁ、今はそんなことはどうでも言いとして問題はこの箱のマテリアルをどうやって採るか?という事だ。
何か凄く難しそうなんだけど……。
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