2話「武器屋と講師」

あらすじ
ついに「マテリアルピクター」の研修が始まった!
気になっていた講師は、とても優しそうなそしてちょっと頼りなさそうな新人の先生。
やっと、あこがれのマテリアルピクターとしての一歩?を踏み出すのだった!・・・たぶんw

8
それから2週間後、あたしと兄貴は王立第7マテリアルセンターにいた。
これから研修が始まるのだ。
気合入れて頑張らなければ!
「よし!頑張るぞ!!」
「そこ、静かにしなさい。」
「うっ!は、はい!」
クスクスッ
あたしが思わずガッツポーズしてしまった。部屋に小さな笑いが起きた。
「何やっている?これから説明があるのに……」
後ろの席から兄貴が小声で心配そうに話しかけてきた。
「ご、ごめん、つい張り切っちゃって・・・てへっ!」
そういうと、兄貴はあきれた顔をした。あたしは気にせず、席を直し前を向いた。
ここは、研修生用に用意させた教室。
少し周りを見てみる、ここにいる研修生は20人くらいかな?
あたしは緊張しながらも少しワクワクしていた。
ここにいる研修生って全部で何人くらいいるんだろう?そう思いながら、教室の中をきょろきょろと見回してる。まだ講師は着てない、さっき注意した人は職員の人みたい。
「講師の先生が来たようですね、ではこれよりマテリアルピクターの研修を始めます。みなさん頑張ってくださいね」
そう言うと職員の人は教室の外へと出て行った。
その入れ替わりに、白いローブを着た人が入ってきた。どうやらこの人が講師みたい。
「みなさん、初めまして。私はフロン・マーリックといいます。普段の仕事はマテリアル研究をしています。この研修期間の間はあなた達の講師を務めます、皆さんよろしくお願いしますね。そうそう、もし研究に興味があったらいつもマテリアル研究所に出来てください。歓迎しますよ」
その人はにこやかに言った。歳は人間で言うところの20代後半くらいかな?白のローブに白い大き目のベレー帽をかぶり少し癖のある銀髪に近い髪の毛は帽子の中に入れている。
瞳は青く視力が悪いのかメガネを掛けてる。なんだか優しそうな人みたいでよかった。マテリアル研究か・・・どんな研究しているんだろう?やっぱりエネルギー活用法とかそんな感じ?これからマテリアルのことについていろいろ教わるわけだし、研究員であれば講師としては問題ないだろう、そんなこと思っていたら、
「ではみなさん、自己紹介してください。何せ、講師をするのは初めてなので・・・とりあえず確認ということでお願いしますね。あ、あとアンケートもとっていいかな?何せ初めてだから・・・。あ、それとアンケートには名前も入れてね!」
その人は頭をかきながらそういった。
ポカ~ン……
――えっ!?初めて!?
ちょっと、こういう場合は補佐の人とかがいるんじゃないの?皆もちょっとびっくりしている、そりゃそうだ。研修なんだよ?あたし達だって初めてなのに、教えるやつも初めてって……、しかもアンケートをとるのかい!
「優しそうに見えるけど、何か頼りなさそうにも見えるね」
兄貴がぼっそりとつぶやいた。
あたしもそう思った。
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