2話「武器屋と講師」
あらすじ
センターから指定された店に来たリオン達、そこはホームセンターを思わせるような大きな武器屋だった。
こんな店始めてきたリオンはちょっと緊張気味。
店の置くから店員と思われる人影が近づくのでした。
2
「いらっしゃいませ~」
店の奥から、赤みかかった瞳に薄ピンク色の長い髪をした女の人がやってきた。エプロンに三角頭巾をしている。色はどちらも薄緑色、上着は白のトレーナーかな?袖の部分が青いラインが入っている。下はジーパンみたいなのをはいている。靴は青と白のストラップ柄で、どこにでもあるような運動靴をはいている。お店の従業員だろうか。あたしより背が少し高い……。
「あの~、武器がほしいのですけど……」
「どんな武器ですか?」
「え~と……」
「どうしました?」
女の人が「ん?」て優しそうな顔で、あたしの顔を覗き込む。
張り切って中に入ったものの、店の広さとすごい武器や防具の数でを見てあわててしまった!店の客もなんだか体格良くて強そうな人たちばかりで……つまりなんというか、情けない話怖かったのよ!それにどんな武器って言われても、分からないし……。そもそも武器自体よく分からない……う、う、う、どうしよう……!
あたしがパニくって戸惑っていると、
「あの・・・すみません、ここはマテリアルセンター指定の店と聞いていたのですが、俺達今度研修を受けるため武器が要るらしいのです。何で武器が必要なのかわかりませんが、武器自体も扱ったことがないしどんな武器を選べばいいのかも分からないので、いろいろ教えてください。よろしくお願いします。」
といって、兄貴が女の人に話しかけた。
「そうだったんですか?それならこちらへどうぞ、店長を呼んできますね」
女の人はにこやかにいいながら、店の奥へあたし達を連れて行ってくれた。そのあと倉庫の方だろうか?店長を呼びに走っていってしまった……。
ふ~、助かった……、こんなところ初めてだし、やっぱり緊張する……!
「あ、兄貴ごめん……」
助け舟を出してくれた兄貴の方に向かって謝った。
「ん?何のことだ?
あっ、さっきのこと?こんな店に来るの初めてなんだし仕方ないよ。それより見ろ!すごいぞここ!!」
相変わらず、ひょうひょうとしてるというか、物怖じしないというか……。
なんとなく兄貴に言われて、顔を見上げると物凄い武器の数が並んでいた。す、すごい~!!!しかもカッコいい~!!!
所狭しと武器が飾ってある!いや、売られている!
ロングソードだけで何種類も置いてある、魔力でも掛けられているのだろうか?剣自体が青い光を放っている。柄の部分には赤い宝石が埋め込まれていて、剣自体にも装飾が施されていてとても綺麗だ。
「この剣すごいね!カッコいい!!!」
あたしはすぐに夢中になった!
魔界に住む者たちの習性なのかな?武器がとても好きなのだ!何故か分からないけど、学校の先生がいうには魔界に住む者の多くは、力を自分達の象徴としていた時期がありその名残ではないかと言っていた。でも、それとは関係なしに皆武器とか防具とか好きみたい。
「凄いね!このお店!!」
「ハハハッ、気に入ってくれたかい?」
あたしが夢中になって店の商品を眺めていたら、背後から大きな声が掛けられた。
振り返ると、狼を思わせる獣人の大男が立っていた。
「ようこそ、わが自慢の店「ナックルウェポン」へ!
わしはここの店長ブリュッケルだ。よろしく!!マテリアルピクターのお嬢さん」
体格のいい獣人のおじさんは、この店の店長さんだった。
あ、あたしはまだマテリアルピクターじゃないんですけど?
ちょっとだけ、じと目で店長のおじさんを見たのだった……。
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