マテリアルピクター8話「水中回廊」15
あらすじ
これからモンスターと戦う準備をするため武器を取り出すリオン達。
そこでクオンが自分の武器を取り出すのだが、その武器がちょっと変わっていた。
しかもその武器の周りには不思議な光が見えていて、その光はみんなには見えないという。
それは魔力を見る感知能力だとクオンから教えられるのだった。
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ぽか~ん。
【センスマジック】魔力を色の形として見る能力。多くの場合、魔法を使って使用するのが殆どでその利用方法は様々。一般的に鑑定方法として使われる。能力として持っているのは珍しいということだ。
鍛えれば魔力の質や属性なども分かるらしい。もちろん、魔法でも同じ事なのだけど、能力として使うのであれば無駄な魔力を使わなくて済む分使い勝手がいいようだ。
それにしても、自分にそんな能力があるとは知らなかった……。
兄のアルデルもビックリしている。
そしてクオンがさらに付け足して言う。
『【センスマジック】は、魔道具なんかを見つけるのにとても便利なんだ。あと魔力で動く物とかを見つける事もできる。言っとくけど、この結界の最初のトラップありゃ判別は出来ない。何せこの結界自体が魔力で構成しているから、皆同じに見えてしまうんだろう。でも別の力がやどっや物なら判別できる』
『へ~、そうなんだ。知らなかった。じゃ、この迷宮自体が真っ暗なのもそのせい?』
『暗い?そうか………。リオンには暗く見えるのか………、それって全体が暗いの?』
『う~と、青味掛かった暗い感じ。壁とかは青白いんだけど全体的に暗い感じ、ダークブルーって言えばいいのかな?』
そんなに珍しい物なのかしら?クオンが色々と訊いてくる。
そう、あたしにはこの迷宮が暗い海の底のような色をしているのだ。でもどうやら皆は違うようで……。
『この空間は、リオンの目にはそう言う風に映っているのね!』
『あたしには壁も床も皆白く見えるけど………。リオンはきっと水属性の魔力を見ているのね』
クラウンとユーディリーがそう答える。
ええ!?そうなの!?
でもこれって、マテリアル探しにはあまり役に立ちそうにもないような気がしてきた。
何せマテリアルは波動つまりオーラを出しているからだ。
『でもそれって何の役に立つんだ?マテリアルはオーラを出しているんだぜ?』
フィフロスが不思議そうに言いう。
やっぱり役に立たないのか。
がっくり………。
『なんか勝手に落ち込んでいるみたいだけど、リオンは魔力を含んだマテリアルを見つける能力があると思ったほうがいいぜ。魔力を持ってマテリアルというと特別な物がほとんどだからな』
『え?そうなの!』
クオンが嬉しい事を言ってくれる。
『まぁ見つけるとしたら、今回の水のマテリアルみたいに、【意志】を持ったやつがほとんどだけど』
『うっ!!そ、それはなんかやだな……』
意志を持っているだけでこんなにも大変な目に合うなんて、ちょっと嫌だ。
『つまり、危ない奴しか見分けることしかできないってことか?』
『まぁ、そういう事だな』
フィフロスの言葉にクオンが相づちを打つ。
なんだよ、結局役に立たないんじゃないか!
喜んで損した!
『それにしてもな~、リオンが【センスマジック】でアルデルが【センスオーラ】が使えるってちょっと分が悪いよな』
『それってどういう事よ?』
『リオンの方が【センスオーラ】、アルデルの方が【センスマジック】を持った方が役に立つって事。【センスオーラ】はマテリアルピクターの採取攻撃の時に使うシンクロ攻撃に使えるオーラブレイドが使用可能なのさ。逆に【センスマジック】は魔法を使う時に魔力属性を強化できるので魔法攻撃マナブラストが有効なの。
リオンは武器攻撃が得意、アルデルは魔法攻撃が得意ってことは、2人は自分の得意な物とは正反対の能力を持っているってことだね~』
が~~ん!!
ショックだ…、確かに名前を聞いたときになんとなくそう何じゃないかな?とか思ったけどやっぱりそうなのか!!
魔法が得意でないあたしに【センスマジック】、武器攻撃があまり好きではない兄のほうに【センスオーラ】がある。なんでなのかな…?
よく見たら、兄貴もプチショックを受けている。
そりゃそうかも…。
兄弟揃って役に立たない能力を持っているとは!?
『あれだな、両方習得しろってことなんじゃないの?』
と、クオンはニヤニヤしながら意地悪そう言う。
両方って…、あんたそんな簡単に行くわけ無いでしょ!
感動したり落ち込んだり…。
もう………、ワケがわからない。
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