結晶採取師~マテリアルピクタ―
第8話「水中回廊」
思い出の戦闘?
あらすじ
マテリアルピクタ―になるために訓練を受けているリオンとアルデル。実践訓練の最中知り合いの魔女イライザとナナオが意思を持ったマテリアルに閉じ込められているのを知る。
助けようとしたが、その直後にマテリアルが結界を発動し追い出されてしまった。
二人を助けるためにマテリアルに詳しい妖精族のユーディリー、クオン、フィフロス、クラウンと一緒に救出に向かう。
やっと二人がいた場所にたどり着いたその場所は、さらに小さな結界に覆われているのだった。
※8話目始まりました!
なんだかRPGみたいな雰囲気?
1
さまざまな世界に散らばっている自然エネルギー結晶体『マテリアル』を採取するマテリアルピクターになるために、さまざまな訓練をするリオン達研修生。
そしてマテリアルピクターになるための実施訓練がついに始まった。
その訓練の途中、研修生のイライザとナナオが行方不明になってしまった。しかも訓練の期間中は皆ジャージを着ているのに、何故か私服で訓練場にいた謎の妖鳥族の研修生2人組み。なんだかよく分からない事が起きまくっているような気がするけど?
あたしは兄のアルデルと一緒に行方不明になったイライザとナナオを探すべく、深い森へと突き進んで行った。どうやら2人は森の中にある滝の近くで行方が分からなくなったらしい。しかもその原因が水のマテリアルの仕業らしいく、2人は水のマテリアルに取り込まれてしまった。しかもマテリアルはどうやら『意思』を持っているらしく、おかげであたし達がいるこの大きな森を巨大な水の結界がすっぱりと覆っていたのだ。
水のマテリアルに追い返されてしまったあたし達は先生に頼んで二人を助けてもらおうと思ったのだけど、何故か様子を見るとか言われその代わりに助っ人として絶滅したと思っていた妖精族の4人組に手伝ってもらう事になった。妖精族の精霊魔法で何とか結界に入る事はできたのだけど、なんと結界以内の中には謎のブニブニモンスターがうようよしていたのだ。何とかそれらを倒しつつ前進していくあたし達。本当は何日も掛かる森の横断も彼らの精霊魔法でだいぶ早く着きそうな感じ。
でも気になるのは、襲ってくるモンスターはまるで幻のようでそうでないような奇妙な存在だ。一緒に行動しているゴブリンのクオンによると今のマテリアルには結界を張る力はあるけど、モンスターを生み出すほどの力はないと言う。という事はもしかして、水のマテリアルに取り込まれたイライザとナナオの魔力を使っているのではないかという事だった! 早くしないと2人が危ないらしい!
そして何とか滝があった場所へとたどり着く事ができたあたし達、そこにはさらに濃度の濃い水の結界が張られていたのだった!
ちなみに結界に入ってから、何故か先生達と連絡が取れなくなってしまった。どうやらマテリアルに近づくにつれ通信が出来なくなるようで・・・というか、あたしたちが持っている通信機能つき証明証って機能が低いのかも?
「中に入る方法分かった?」
あたしは近くにある岩に腰をかけ、あっちこっち結界を調べている兄のアルデルと妖精族でゴブリンのクオンに訊いてみた。
すでにこの場所に来て2時間過ぎている。あたしは魔法に関してはあんまり得意ではないのだけど、魔法に詳しい二人があーだこーだ言いながら結界を調べている。他のメンバーも皆同じ感じで、そこら辺に座っている。
「少し眠いな……、寝ていいか?」
「え!?それはダメでしょう!?」
あくびをしながら幻狼族のフィフロスが突然そんな事を言う。これから結界の中に入るのに今から寝るつもりなのか!?
「そうよ!寝ちゃダメよ!寝たら凍えて死ぬんだからね!」
ケット・シーのクラウンがなんだかよく分からない事を言ってフィフロスを叱った。
「いや……、あのな、俺氷属性なんだぜ?凍えて死ぬ事はないんだけど……」
確かに氷属性のやつが凍えて死ぬなんて聞いた事ない。横に寝転がってフィフロスがあきれた顔でクラウンに言う。
それはたぶんそれは、雪山とか氷山とか登ったときに言うセリフじゃないのかな・・・?
「あれ?何か間違ってた?」
クラウンは不思議そうな顔をする。どうやら自覚がないようだ。
「おいおい……」
フィフロスがため息をつく。
あはははは……、まぁしょうがない。彼女はそう言う性格だから。
て、属性に詳しい妖精族が知らないのはおかしいだろう!?
あたしが呆れていると、
「それにしても凄い結界だな・・・、相当な魔力が使われていそうな気がする」
結界を調べていたクオンがそう言う。
「相当な魔力?」
「うん、二重結界でしかも規模が大きい物なんて、そんなにないよ。せいぜい自分の周りに小さな結界を張るくらいだと思うけど・・・。結界が小さければそれほど力を使わなくてもいいし、いろんな種類の結界を張れるから防御面も上がるので、わざわざ大きくする必要なないんだ。それにここにある魔法は、俺達が今いるフィールド系の結界とは別の物だしね」
「フィールド系?結界にも系統があるの?」
「そりゃあるに決まっているだろう?」
「ふ~ん」
「ふ~んって……、お前な……」
あたしの生返事を聞いて、脱力するクオン。
「リオンに魔法の事についていっても意味がないよ。本人はあんまり興味がないから…」
と兄のアルデルが苦笑いしながらそう言った。ふ~だ、どうせ興味ないですよ~だ。
「落ち込んだと思ったら急に元気になっているし、魔法の話を吹っ掛けたくせに本人は興味がないとか…、お前の妹何考えているんだ?」
クオンはあたしを見ながら兄のアルデルに訪ねた。
「リオンは昔から魔法が苦手なんだ。どっちかって言うと、体を動かす事が好きなんだ。学校に通ってた頃はよくスポーツとかやっていたよね」
「そうだっけ?」
「そうだよ。まぁ、何と言うか『掛け持ち』が多かったような気もするけど…」
などと話していたら、兄のアルデルやクオンとは別に結界を調べていたダークエルフのユーディリーが戻ってきた。どうやらあたし達とは反対側を調べていたようだ。
「どうだった?」
クオンがユーディリーに訊いてみる。
「う~ん、やっはり力押しして掛かるしかないみたいね」
「そうか………」
どうやら力ずくで結界の中に入るしかないみたい。
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