マテリアルピクター7話「妖精と精霊」8
あらすじ
水の結界の中を移動中、くだらない世間話をしながら歩くこと数時間。
結構この森は広いようで…。
みんなの結構疲れてきたなと思ったら、ケット・シーのクラウンがとんでもないことを言うのだった。
8
歩き続けること2時間。
う~ん、空を飛んでいたときはすぐに着いたのに歩くとこんなに時間がかかるのか!
「結構時間がかかったわね」
ユーディリーがそう言う。彼女にもちょっと疲れが見えているみたい。
あたしも歩き疲れてきた。
「こんなにかかるんだったら『早足』の魔法を掛ければよかったね」
とクラウンが何かとんでもない事を言ったような気がした。
いや、かなり重要な事言わなかったか!?
あたしはすかさずクラウンに問いただす。
「ちょっと待てい!?今なんて言ったの!?」
「え?『こんなにかかるんだ』って言った事?」とクラウンが?マークを浮かべながら首をかしげる。猫耳がピクピク動いてかわいい……って、違う!
「そうじゃなくてその後!!」
「『早足』の魔法?」とクラウンが言う。
「そう、それ!!その魔法は何!?なんか凄く便利そうな魔法に聞こえたんですけど!?」
「『早足』て言うのは、風の精霊さんに頼んで魔法を掛けると足が速くなるんだよ。それ以外にも『風送り』て言うのがあって追い風を使ってすばやく移動できる魔法なんだ~。他にも小さな草の精霊さんに頼んで近道を教えてくれる『秘密の小道』ていう魔法もあるんだよ~」
元気にのんびりと答えるクラウン。
「何でそれを教えてくれなの~~~!!?」
「え……、だってこんなに時間がかかるなんて言ってなかったし……」
などとモジモジシしながらクラウンは申し訳なさそうに言うのだった。
ああああぁ……、その魔法があればかなり時間短縮できたはず!!
あたしは頭を抱えるのだった。
「腹減ってきたな……」
突然、フィフロスが言う。
「そういえば、もう晩御飯だっけ?」
クオンもそう言う。
えっ!?ちょ、まさか……。
「俺、飯探してくるわ。」そう言って、フィフロスは『飯探し』に行ってしまった!
「俺も探してくる。みんなはそこにいろよ?」とクオン。
「は~い!」とクラウン。
「それじゃ、キャンプの準備でもしましょうか?」とユーディリー。
「わーい!キャンプだ~!!」とクラウン。
その光景を見たあたしと兄貴。
「妖精族って適応能力が高いというか、なんと言うかつまり彼らは『自由人』なんだね……」
「そうだね……」
マイペースでのんびりな上、緊張感があまりない。そして自由人・・・。ある意味自然に適応できる種族なんだと改めて思った。
そして1時間後、フィフロスがでかい鹿をしとめて帰ってきたのだった。
その首元には、なんというか噛み殺したような?牙の後のような物が……。
ここの物が食べられるのかどうかも分からないのに……。
なんかいろいろありすぎてよく分からない。そう考えた結果、深く考えないで行こう!うん、そう決めた!
その後、クオンが木の実を大量に持ってくるのだった。
7話-7へ
続く
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