マテリアルピクター7話「妖精と精霊」5
あらすじ
結界の中に入って分かったことは、水の中はとても歩きづらい。
リオン達はヘロヘロなのに対し、クオン達は平気な顔。
聞けば『水圧保護』魔法で身を守っているとか!?
そんな魔法があるのら最初にかけて欲しいんですけど!!
彼らは妖精族は、かなりマイペースな種族のようです。そして補助魔法が得意なようで…。
5
ユーディリーが魔法を掛けてくれたおかげなのか足取りが軽い!
どうやら精霊魔法とは主に補助系が多い魔法ようだ。
となると精霊魔法って結構便利?とか思っていたらユーディリーが、 「精霊魔法は近くにその属性の精霊がいないと発動できない。」とか言うのでもしかしたら不便な魔法なのかもしれないと思った。
そしたらクオンが、「そう言うのはきちんと精霊魔法を理解していないやつのいうことだ。」というのだ。そんなにえらそうに言うのなら教えろとか言うと、また今度なとか言う。本当は知らないんじゃないの?そんな事を言っていると、ユーディリーがマテリアルの中にいる精霊について話し始めた。
「そうそう、ここのマテリアルは『海のマテリアル』って事でいいのかな?」
あたしがそう言うと、
「そうね、それにこの空間若干だけど塩の匂いがする」
と、ユーディリーが言った。
塩の匂い?あたしにはよく分からないけど、どうやらこの空間はちょっとしょっぱいらしい。つまり海の中という事。なるほど、海の中か……。
「『人魚』の姿をしているってことも関係あるの?」
「精霊はそこにいる生物や関連する妖精族の姿をとる事が多いのよ。海を住処とし海の力を制御する力を持つ『人魚』達つまり、マーマンやマーメイドなどの海の妖精族の姿をとっているという事はそう言う事なのよ。中には好んでその姿をとっているものもいるわ。
元々精霊は光を放つのエネルギーの存在だから人前に現れるときとかは自分の好きな姿で現れる事が多いみたい。後は大きさやサイズ、何を司っているかによってその精霊の力がよく分かるといわれるわ。」
なるほどね・・・、自分の領域に住んでいた生き物を模写しているのか……。
「人型サイズってどのくらいの力があると思います?」
あたしはユーディリーに聞いてみた。自分が遭遇したあの人魚は結構大きかった。
「人型サイズは結構力のある精霊ね。中級クラスかしら?」
「中級?」
「精霊にはクラスがあるんだよ。階級とも言うかな?いわゆる上・中・下ってやつだ。さらに細かく言うと高位、中位、下位て言うのがある。階級は変わらないんだけどその中でも位があるものは特別って事だ。で、一番上に精霊たちを束ね管理している『王』がるんだ。王って言うよりは『神』って言ったほうがいいかも知れないな。王は神の意識の一部だって言われているからだ。そしてその王自身が精霊界その物なんだ。精霊界がエネルギーの塊といわれるのはそう言う事なんだぜ」
クオンがそう説明してくれた。
「か、神の一部?」
「そりゃそうだろう?何せ世界を構成し維持している大元なんだから」
「ああ!そうか!」
「つまり、俺たちはその自然のエネルギーを神様から借りているだけなんだよ」
ああ、そういうことか・・・。大昔あたしが生まれる前、ある突然精霊界が消滅したとき、魔界と天界は大騒ぎになったんだ。世界を構成、維持している精霊界すべてが消えてしまったのだから。
その時みんな『世界は終わる!』とか思ったに違いない。当時の人々、特に天界の人たちは相当ショックを受けたみたい。彼らは神に仕えることを使命にしている人が多いからね。見捨てられたとか思ったんだろう。でも今でも世界は存在している。そう、マテリアルという形で残っているからだ。当時陰謀説とかあったみたいだけど、何でこうなったのか今でもよくわかっていないらしい。
まぁ、おかげで?あたし達は新たな職を見つけたんですけどね。
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