1話「魔界の少女」
あらすじ
魔界の学校を無事卒業したリオン。
しかも結晶採取師『マテリアルピクター』の資格通知が来て喜ぶのだが……、何かが違う様で?
2
震える手で学校の卒業書状を手にとって、あたしは叫んだ!!
「やった~!!これであたしも「マテリアルピクター」になったんだ!」
ガッツポーズをとって叫んでいると背後から、
「まだなっていない……これから研修……」とぼっそりと兄貴のアルデルが言った。
あたしの双子の兄なのだけど、言っちゃ悪いけどなんていうか暗黒神官みたい……。
黒のローブにいつも魔道書持ち歩いている。髪は少し長めで方まであって色は黒で頭の左右コウモリみたいな飾り羽が生えている。もちろん色は黒、ただし光沢あり。目はちょっと切れ長、瞳はあたしと同じ金色。背はあたしより10㎝くらい高いのかな?
「うぐ……っ、べ、別に良いじゃない。学校の卒業を喜んだって!!」
「さっき、「マテリアルピクター」になったって、叫んだ……」
「うぐ……っ!!」
あたしは言葉に詰まった……。
「それに、それは卒業書状じゃない……」
「えっ!?」
あたしは手に持った書状をもう一度読み返してみた。
■リオン・ハーティア・ネス様、アルキア学習院卒業おめでとうございます。
このたび希望された職種、結晶採取師「マテリアルピクター」の第一次採用試験おめでとうございます。
リオン・ハーティア・ネスはこのたび結晶採取師「マテリアルピクター」の研修生として認定します。
マテリアルピクター研修生番号:AA101-6508712-HK49022-RG3409
資格:第1次国立職員合格
これより、第二次採用研修および卒業試験のご案内を説明します。
1、研修期間は10年間です。専属の講師がいますのでそちらにしたがって研修に励んでください。
2、講義は月4回ありますので必ず出席してください。
3、半年に一回の研修試験と戦闘実施試験があります。双方あわせて40回の試験があります。試験は100点満点でのテストでごく各店は70点以上でこの点数を30回以上をとって下さい。テストの結果によって優秀であると判断された場合、ガード(護衛)を付けます。見習いである場合もあるのでご了承ください。
4、研修期間の間、採取した「マテリアル」は3分の1で取引させてもらいます。
5、指名依頼を受ける場合は、「ガードナー」を必ず雇ってください。ガード料はこちらが負担します。指名依頼を受けた場合は試験が免除されます。ただし、5回以上指名依頼を受けた場合のみです。
6、すべての研修が終わった者に「マテリアルピクター」の資格を与えます。
7、研修生証明カードをなくした場合、1度だけ問い合わせをすれば再発行致します。ですが2度目はありません、その場合は即失格となります。注意してください。
■第7王立マテリアルセンター
オルデリック・ハンスン支部長 「…………」
「ちゃんと書いてあるだろう?」
「……」
「俺達は研修生、つまり見習い・・・筆記試験で「マテリアルピクター」になれるわけが無い……」
「……っ!!!!
何じゃこりゃーーーっ!!!うがーーーっ!!!」
あまりのことに冷静さを失ったわ・・・
兄貴に抑えてもらわなかったら思わず、持っていた書状を破っていたかも!!
だってめっちゃ理不尽なことばかり書いているじゃありませんか!!!
それに、高いスペック要求してるんじゃないわよ!
しかもマテリアルの取引半額以下って……、そりゃ無いよ……(なんだか苦学生直行しそうな気が……)
あのときの担任の顔が思い浮かんできた。
えっ?お前そこ受けるの……?って……。
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