4話「採取訓練」
あらすじ
なかなかうまく偽マテリアルを採る事が出来ないリオン達。
そんな中、別の研修生が偽マテリアルと採る事に成功したらしい。
その研修生はどうやらリオン達魔族とは違う様で・・・。
7
「おお!凄いぞー!あそこの連中!」
呆然とその光景を見ていたら、遠くのほうから歓声とともにフィールドが消えるのを見た。
「どうやらマテリアルを手に入れることが出来たグループがいるみたいだね。」
兄のアルデルもそちらのほうを見る。
「え?採れた人がいるの!?」「どんなやつだ?」イライザとナナオもそちらのほうを見る。
遠くからだけど、褐色の肌の女の子と小さな子供見たな人、それと獣人だろうか男の人と女の子のペアだ。何を隠そうあたしは目はいいのだ!皆に遠くから見えた光景を教えた。
「子供がこの訓練所にいるの!?何馬鹿なこと言っているのあなたは……」とイライザが呆れた声で、あたしを馬鹿にしたように言う。
そりゃこの訓練所に居るわけだから、子供のはずがない。たぶん、子供のように見える種族なのだろう。
「俺も見えるけど?」
え!?見えるの……?
「アルデル様が言うのならホントね!」
「――おい!」
そのセリフを聞いて、あたしがじと目でイライザをにらみつけた。
あんたの思考は兄貴優先なのかい!?
隣のフィールドで訓練している男子訓練生がつぶやいた。
「やっぱ、本場は違うな……。どうやったらあんな簡単に採れるんだ?」
本場?どういうことだろう?訓練生の言葉を聞いてあたしは質問した。
「?ねえ、本場ってどういうこと?」
「ん?知らないのか?今年一番期待されているチームだよ。なんでも妖精族らしい」
「妖精族!?妖精族って妖精界と一緒に消滅したんじゃないの??」
その話を聞いた兄も他の皆もビックリした。だって妖精族ってもう何十万年も前に消滅した種族だって学校で習ったもん。生き残っているなんて聞いたこともない。もし生きていたら優秀なマテリアルピクターになると聞いたことがある。もちろん生きて存在しているのならの話で・・・まさかそんな妖精族がいるとは思っていない。
「ねぇ、それって本当なの?妖精族だって・・・」もう一度質問してみる。
「あぁ、あれの爺さんの話では妖精族は妖精界が崩壊する前に一部の者達が魔界に逃げたって聞いたぜ。たぶん、その生き残りの子孫じゃないかと言われているんだけど、それでそいつらがここに来るってうわさになって、本当かどうか様子を見に行ったやつに聞いたら間違いないっていわれた」
「あんたは見てないわけ?その妖精族って人たち・・・」
「見てないけど、妖精族って言ってもいろいろ種族がいるみたいでさ正直どれが妖精族なのかよく分からなかったんだけど、見分ける方法を友達に教わったんだ。」
「へ~、それってどんな方法?」
「妖精族は『オーラ』を放っているんだ。『オーラ』って言うのは『波動』って言われているやつでそれを見れば妖精族か分かるんだって。」
「オーラを見る……?」
『オーラ』というかそんな波動とかよく分からない物が見えるの?
「そ、『センスオーラ』ていうのかな?マテリアルもその『オーラ』をまとっているんだって。だからマテリアルを見つけたり採ったりするのにとても役に立つから覚えたほうがいいと友達にも言われた。そういえば、妖精族も『オーラ』が見えるらしいな。やっぱり精霊と関係しているからかな?」
と、隣の訓練生はいろいろと親切に教えてくれた。
つまりこいつ(この訓練生)もオーラが見えるということなのかな?
「……」
あたしが沈黙していると、
「ナルホドね~。妖精族が『オーラ』を放つうえ見る事も触る事できるということは、マテリアル自体も同じ性質を持っているということね。両者は似ているからマテリアルとの相性いい。マテリアルピクターに必要な条件を持っているわけか……。という事は、マテリアルの『オーラ』が見えるアルデル様と見えないあなたとは別次元ね~。もしかしたら、マテリアルピクターにはふさわしくないんじゃないかしら?」
イライザがイヤミったらしく言う。
「ふさわしくないって、どういう意味よ!!イライザだって『オーラ』なんか見えないじゃん!?」
「あら、心外ね~。私は『オーラ』を見る専門の呪文を知っているから別よ。あなたはそんな呪文使えないし、
『オーラ』を見る事もできないって言っているだけ。他の皆も似たような物なのでしょうけど……」
「おほほほほほっ……」とイライザがお上品に笑う。
うぬ……、反論できない!
くそ、いつか成長して見えるようになるからいいもん!
たぶん……。
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