マテリアルピクター4話「採取訓練」6 2011/08/14 (Sun)

4話「採取訓練」

あらすじ
採取訓練で自分達が相手にしている偽マテリアルの属性が分かったリオン達。
でも分かったところで、どうにか出来るというわけでもなく・・・。
どうすればいいのか悩むのでした。

6
　マテリアル採取訓練はまだ終わっていない。
　それでもまだ納得がいかないのかあたし達は何回かマテリアルに攻撃を仕掛けてみた。
　すると、マテリアルは自己防衛は発生させて雷属性の反撃を行った。
　兄が言ったとおり、この偽マテリアルは雷属性だった。

「う～ん、兄貴が言ったとおりだった……」
「だから言ったじゃないか」
　兄貴が眉間にしわを寄せて、小さく文句を言う。これからは兄貴に採取するマテリアルの鑑定をしてもらおうっと！
「なんか、怠けるようなこと考えていない？」
　兄がとじと目であたしを見る。
「へ！？そ、そんなこと考えてないよ！」
「いつも怠けたりするから、ちっとも成長しないんだよ。父さんや範空に毎日言われているだろう？」
「うう、い、今はそんなこと関係ないじゃん。早くマテリアルを取ろうよ！」そういいつつ目線はそらす。
　すると、
「アルデル様、マテリアルの属性は分かったけどこの後どうすればいいかしら？授業で教わったのって8属性くらいの対処しか教わっていないし・・・」
　話がそれてくれて大助かり、このままだと訓練そっちのけで説教を食らってしまう。

　一方イライザはというと、このマテリアルの防御を破るにはどうしたらいいものかと考えている。
　魔物とかそこらの生物や霊体なら普通にそれぞれの対応に合わせた攻撃魔法を使うことでどうにでもなるかもしれないけど、力そのもので出来ているマテリアルは対処が難しい。
　普通に考えると反属性の攻撃魔法を使えばいいと思うかもしれない。だがマテリアルは反属性だろうが力が弱ければ反属性の力すらも吸収もしくは無効化してしまう。といって、強い攻撃魔法を仕掛けると逆にこちらがバテてしまう。
「先生は、魔力と武器を合わせて攻撃するといいといっていたよ」
　兄がそう言うと
「でもそれはある程度訓練を受けていないと出来ないといってましたわ。今の私達にはまだ無理ですわ」
　2人のやり取りを聞いていたあたしだけどこの訓練って、たぶんそれを習う為にやっているんだと思うしかも自分で発見し身につけないといけないということかもしれない。

　あたしが神妙な顔をしているとナナオが話しかけてきた。
「結構この訓練ってきついらしいよ。今も聞こえるかもしれないけど、皆大怪我しているみたい」
「え？大怪我？」
「うん、ほらあそこ、煙が出ている」
「ホントだ！」
　あたし達が訓練で使用しているフィールドから少し離れたところで、搬送されている訓練生がいる。しかもその先では事故が起きたのか煙がモクモクと吹き出している。
　フィールドに張られていた結界を突き破ったらしい。訓練生は自己修復ができず重症だ。他にも数人の訓練生が搬送されている。よく見たら訓練フィールドのあちこちから煙が出ている。
　もしかしたらこの訓練で更なる脱落者が出るということなんだろうか。う～ん、思った以上に危険なのか？あたしはまだ全然平気なんだけど……？

「リオン、何してるの？まだ訓練中だよ？」
「兄貴あれ見て。」あたしは兄貴に搬送されている訓練生を指差した。
「思った以上に厳しいらしいね・・・、これを乗り越えられないとマテリアルピクターに離れないってことか……」
　あたし達が相談している間マテリアルはというと、静にその場でたたずんでいる。仕掛けなければマテリアルは何もしない。現状の悲惨さとマテリアルを見比べた。う～ん、なんなんだこれは……？



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