4話「採取訓練」
あらすじ
採取訓練が始まった!
訓練生が練習用に採るマテリアルはマテリアルの特性をコピーした「擬似マテリアル」だった。
採る為にはマテリアルが出すシールドを破壊するしかないのだが、リオン達が攻撃してもどうもうまく行かないようだ。
4
イライザに負けてたまるもんですか!!こんなもん、こうすりゃいいのよ!
「うりゃ!!」
あたしは擬似マテリアルに向かって鎌を振り下ろした!
「ちょ、ちょっと!?」イライザがあわてる。
そんなもんお構い何し振るった鎌が擬似マテリアルに当たるかと思った瞬間、何か見えない壁に当たってはじき返った!しかもあたしの腕に激しい振動が!
「うっ!?痛い!!」
「リオン!?」兄が心配そうに駆け寄る。
「大丈夫か!?」
「なんか、凄い痺れる~。しかも痛い……」
あたしの腕がジンジンを痺れている。
「何の作戦も立てずに飛び出すからよ!それにマテリアルが壊れたらどうする!?」
イライザが物凄いかを出文句を言う。
「見てなさい!マテリアルはあたしが採るから!」
「イライザ様!?」
ナナオが心配するなか、イライザがマテリアルに向かって杖を突き出す。その杖先から青い光が輝き一点に集中するとたまった魔力が一気に発射された。
魔力弾だ。マジックミサイルとも言う。呪文を必要としない簡単な魔法攻撃だ。簡単といってもかなりの魔力の持ち主でないと出来ない芸当である。その魔力弾はまっすぐにマテリアルめがけていくがやはり何か見えない壁にはじかれて霧散した。
「これがマテリアルシールド……、もしかしてこれが基準って事何かしら?だとしたら結構強力ね」
「どういうこと?」あたしが尋ねると、
「私のマジックミサイルがどのくらいの威力か知っているでしょう?これは採取練習、練習用だからたぶん力は一番弱いはずよ。偽者だしね、だとすると本物はもっと強力ということよ。これで、魔物召還とかされたら・・・、まさに力の強いものが成る職業って事かしらね?」
イライザが笑っていない。イライザのマジックミサイルは強力だ。学校に行っていたころ、魔界に侵入してきた魔物が学校に入り込んだことがある。
学校の建物を破壊していったその魔物はかなり強力で、体長5メートルの「イービル」で学校の先生しかも戦闘力が結構あった5人が挑んだのだがかなりてこずる相手だった。その魔物を彼女は簡単なマジックミサイルの一撃で倒したことがある。その魔物よりも強いとは!
でもうちら、ブレスレットのせいで力抑えられてりるんだよね……?しかし、これが物質界でのことだとするとかなり危ないかも……?
今、目の前にある擬似マテリアルはただそこにあるだけなのだけど、たしかに魔物とか召還された日にはどうすればいいのか難しくなる。やっぱり強くなるしか方法はないって事なのかな?
とはいいつつ、この偽マテリアルがそこまでの能力を持っているとは思えないんだけどね。
何せこれは訓練用のマテリアルなんだし。
「今はこのマテリアルをどう採るか考えよう?」
兄のアルデルがそう言う、たしかに!採らないと結界から出られない!
「どうすればいいのでしょう?」ナナオも思案顔。
「まずは属性チャックしてみよう?」アルデルが提案する。
「属性チャック?」魔法に疎いあたし……。
「あのシールドの属性を調べるんだよ。そうすれば自然とマテリアルの属性も分かる」
「さすがですわ!アルデル様!」イライザがわざとらしく(嬉しそうに)言う。
「……」
イライザの兄に対しての態度にあたしは呆れる。
「リオン、シールドに触れたとき痺れたといったね?」
「言ったけど?それがどうしたの?」
兄に言われて、それが何か関係あるのかとあたしは不思議に疑問に思った。
「これは練習用だからね、たぶんこれであっていると思うんだ。後はどう対処するかだ」
兄はすでにこの偽マテリアルが、何の属性なのか分かってるようだった。
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