3話「採取訓練」
あらすじ
武器の扱いはともかく、リオン達研修生は採取訓練専用のフィールドに案内された。
すると講師の先生があるマテリアルピクター専用のアイテムを渡してくれたのだった。
3
リオンたちは、訓練用研修施設の屋外フィールドにいた。
採取訓練ということでさすがに施設の中でやるわけにはいかない。
「これから採取訓練を始める。各フィールドに擬似マテリアルを設置している。この前決まったペアチームで擬似マテリアルを確保すること。なおマテリアル破壊などは減点とする。どんな方法でもいいのでマテリアルを採取できるようになるまで続くるのでそのつもりで!」
ジャンカン先生がそう言うと奥からフロン先生がやってきて、
「そうそう、みなさんに渡す物があります。」
「?渡す物?なんだろう?」
「これです。」
それは小さな白い丸いコンパクトみたいな物だった。いくつかのボタンがあり、中央には大き目のクリスタルで出来た飾りがついている。少し光っているみたい、魔力がかかっているんだろうか?
「なんですか、これ?」
あたしが質問すると、
「これはマテリアルポットです。採取したマテリアルを入れる入れ物です。中央にマテリアルを当てると吸い込まれます。で、吸い込んだマテリアルのパワーポイントがここに表示されます」
先生はコンパクトにある中央の大きめのクリスタルに指を当てた。吸収場所でありマテリアルパワーポイント計測も出来る場所のようだ。
でもこんな小さなコンパクトじゃ採取しても全部入らないのでは?そう疑問に思っていたら、
「このポットは亜空間になっているのでいくらでもマテリアルを入れることが出来ます。で、ここにはどのマテリアルを手に入れたとかどのくらいのパワーがあるかとか採取したマテリアルの総合パワーなども表示されます。取り出すときはこの黄色のボタンをしてください。」
へ~、これも支給品ってことなのかな?
「ここのボタンで個人登録してください。登録が完了したら使用可能です。ちなみにここで採る擬似マテリアルは採取できませんから、いいですね?」
「え?採取できないのなら、これ今は必要ないのでは……?」あたしがそう言うと、
「え~と、渡すのを忘れてました……」
「……」
おいおい、この先生案外うっかりさんなのだ。
もう、何週間経っていると思っているんだ?まったく・・・。やっぱり新人だから?
気を取り直して、採取訓練の始まりだ!
フィールドにはいくつかの擬似マテリアルが設置されている。
マテリアル自体はすっごく小さい・・・。
でもこれがとんでもないパワーを思っているのだから油断できない。
フィールドにはさらに小さな結界がいくつも張られている。その結界は各チームごとの割り振られていた。つまり結果以内で採取を行えということ。広い様で狭い感じ。一同緊張してます。
「いいか、擬似マテリアルの属性はチームごとにそれぞれ違うから対処法も変わる。よく自分達の擬似マテリアルを見て状況対処するように!誰がせめて誰が採取するか相談しながらやるんだ。マテリアル採取はチームワークだからな。採取できるまで結界は解けないからそのつもりで、それでは始め!!」
えっ!?採取できないと結界から出られないの!?
するとイライザが、
「誰かさんが足を引っ張らなければ、結界から出られるかもしれないわよ?」
「何!?」
「あら?リオンが足を引っ張るの?」
「誰が足を引っ張るのよ!!」
「おほほほほっ、私はリオンのことなんて一言も言っていないわよ?」
ムカッ!!あたしが足を引っ張るですって!?遠まわしにいやみを言うんじゃないわよ!!
睨み合うあたしとイライザ。
「イ、イライザ様!」
「は~、なんだか先が思いやられるな……」
兄貴が深々とため息をついた。
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